パン職人の休日事情|休みはあるの?働き方改善方法

パン職人の休日

パンの香りに包まれる毎日。けれど、「パン職人って休みあるの?」と聞かれると、少し答えに迷う人も多いのではないでしょうか。

確かに、早朝勤務や繁忙期など、ハードな一面があるのは事実。でも最近では、「休み方」「働き方」を見直すベーカリーが着実に増えています。

こんにちは、藤巻です。

私は、ベーカリーのプロデューサーとして、法人での店舗開発から職人としての海外修行、独立開業、年商2億円超え、食パン専門店とベーカリー合わせて全国30店舗規模に育ててM&A譲渡、現在はベーカリー専門の店舗売買・譲渡・M&Aと、パン職人専門の転職エージェント事業を行っています。

この記事では、パン職人の休日事情と、無理なく続けるための働き方改善のヒントを、実際の現場の声とともに紹介します。

この記事でわかること

  • パン職人の平均休日数と現場のリアル
  • 休日が少なくなりやすい理由
  • 働きやすいお店の特徴
  • 実際に「休み改革」に取り組むベーカリーの事例
  • 休みを取りながらキャリアを伸ばす方法

パン職人の平均休日数は?

休みはどれくらいあるのか

一般的に、パン職人の休日は 月6〜8日程度 が平均です。これは「週1日+交代制の休み」という形が多いですね。

一方、ホテルベーカリーや大規模チェーンでは、完全週休2日制を導入している店舗も増えています。

「年間休日100日以上」を明記している求人も少しずつ増えてきました。

藤巻たすく
by BakeryBiz

現場にいた頃、休日が週1日の時期もありました。

ただ、今では「週休2日にしないと人が定着しない」と考える経営者が確実に増えています。

私たちエージェントが企業に条件確認をする際も、まず「休みの設計」をチェックします。

働きやすさを重視する流れは、確実に業界全体で広がっています。

なぜパン職人は休みが少ないのか?

パン職人の求人情報

理由はいくつかあります。

  • 焼きたてを提供するため、早朝から仕込みが必要
  • 製造が属人化していて“代わりがきかない”
  • 繁忙期(クリスマス・年末・イベント)に人手が足りない

つまり、「技術を持つ人が限られている」ことが原因のひとつ。しかし、ここ数年で大きな変化が起きています。

藤巻たすく
by BakeryBiz

現場を長く見てきた立場として言えるのは、「職人の技術に依存しすぎる構造」こそが休めない最大の要因でした。

でも今は違います。

レシピや工程の標準化、教育担当の分担などで、休みを取りやすくする仕組みづくりが進んでいます。

良い職場ほど、「人を守る仕組み」を持っています。

休みを増やす工夫をしているベーカリーも多い

工夫するパン屋さん

最近は、「職人の定着=店の安定」という意識が浸透し、休みの仕組みを見直す動きが進んでいます。

改善の取り組み例

  • 焼成・仕込みを分業化してシフト制に
  • 機械導入で人の負担を軽減
  • 夜仕込み・昼焼成など、生活リズムに合わせた勤務設計
  • 有給休暇の取得を奨励(繁忙期以外に交代で取得)

このように、“人が無理をしないで続けられるベーカリー”が確実に増えています。

藤巻たすく
by BakeryBiz

最近は、社内制度として「連休取得制度」や「早番・遅番制」を導入するお店が増えました。

特に経営者が若い世代に変わったベーカリーほど、働き方の意識が柔軟です。

休みが取れるお店=人を大事にするお店。

職人としても長く安心して働ける環境を選ぶことが、結果的に成長への近道になります。

「休める職場」を見極める3つのポイント

大切なポイント

転職の際にチェックしておきたいのは次の3点です。

シフト制が明確か

「誰がどの工程を担当するか」「休みの代替がどう回るか」をきちんとルール化している職場は安心。

固定残業や休日出勤の扱いが明記されているか

求人票や面接時に“振替休日の取得方法”を必ず確認。

定休日+公休のバランス

完全週休2日でなくても、「第○水曜+月2日公休」など、仕組みが透明なら長く続けやすい。

藤巻たすく
by BakeryBiz

求人票には「月◯日休み」としか書かれていないことが多いんです。

でも実際は、**「どんな休み方をしているか」**が重要。

たとえば、繁忙期明けに必ず2連休を取る文化があるお店もあります。

私たちは取材時に「年間スケジュール」を確認し、実際の休み運用をチェックしています。

実例紹介:休み改革で定着率が上がったパン屋

パン屋さんの外観

事例①:神奈川のオールスクラッチベーカリー(スタッフ7名)
分業制を導入し、1人あたりの仕込み負担を減らした結果、休日取得率が前年比140%にアップ。

事例②:関西のセントラルキッチン(社員20名)
焼成時間の短縮機を導入して、早朝勤務を1時間後ろ倒し。
「朝4時出勤→5時半出勤」に変わっただけで、離職率が半減。

事例③:地方チェーン(店舗数8)
土日出勤が続くスタッフに“平日連休制度”を導入し、家族時間を確保。
「職場の雰囲気が良くなった」とスタッフの声が増加。

藤巻たすく
by BakeryBiz

こうした“休み改革”は、私たちエージェントが現場へ伝え続けたことでもあります。

「いいパンを作るには、いい休みが必要です」と何度も話してきました。

企業もそれを理解し始めていて、今は“職人が笑顔で続けられる店”が確実に増えています。

休みを上手に使うパン職人の工夫

休日の様子
  • 技術書や製パン理論を読んでスキルアップ
  • 気になるパン屋を訪ねて学びを得る“パン旅”
  • 家族と過ごしてリフレッシュ(心の充電)
  • SNSやブログで発信し、同業ネットワークを広げる

休日は「何もしない日」でもいい。
ただ、“仕事から一度離れる時間”を持つことが、良いパンづくりにつながります。

藤巻たすく
by BakeryBiz

休みの日も「学び」に使いたくなるのが職人の性格ですよね。

でも、ときには完全に仕事を忘れる日も必要です。

私も経営時代、スタッフに「パンを焼かない日をつくれ」と伝えていました。

休み方を変えると、心の発酵も良くなります。

まとめ:焦らず、自分のペースで働ける場所を

マイペース

パン職人の働き方は、確実に変わってきています。

以前は「がまんして続ける仕事」と言われた時代もありましたが、今は「続けられるように工夫する時代」です。

私が全国のベーカリーを見て感じるのは、“休みを取る勇気”が、結果的にお客様を笑顔にするということ。焼く人が元気であること。それこそが、いいパンづくりのいちばんの原点です。

あなたが安心して働けるお店を見つけるために、私たちエージェントは、現場と丁寧に話し合いながら職場環境を確認しています。

「無理なく続けられること」こそ、プロとしての最初の条件。

焦らず、自分のペースで次のステップを考えましょう。

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藤巻たすく
藤巻たすく

この記事書いた人

藤巻たすく

ベーカリーのプロデューサーとして、法人での店舗開発から職人としての海外修行、独立開業、年商2億円超え、食パン専門店とベーカリー合わせて全国30店舗規模に育ててM&A譲渡、現在はベーカリー専門の店舗売買・譲渡・M&Aと、パン職人専門の転職エージェント事業を行っています。
私の経験が、皆さんの未来に少しでもお役に立てたら嬉しいです。

記事監修:株式会社アルチザンターブル

参考リンク

※本文は公開情報と筆者の実務経験に基づき執筆しています。統計値は出典の算出方法・時点により変動します。

この記事で紹介したように、パン職人の転職には環境選びが重要です。
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