専門学校卒業後にパン職人を目指すには?就職ガイド|働き方・職場の選び方・成功のコツ

パン職人の道を選んだ皆さん。
専門学校を卒業していよいよ就職…となると、ワクワクと同時に、不安も大きいのではないでしょうか。
「どんなベーカリーを選べばいい?」「自分の技術は通用する?」「現場に入ったら何から覚えるの?」
私は、学生さんの就職支援をこれまで多く担当してきましたが、最初の“職場選び”でキャリアの伸び方が大きく変わると実感しています。
この記事では、専門学校卒業後にパン職人としてキャリアをスタートするために必要な知識を、できるだけわかりやすくまとめました。
目次
この記事でわかること
- 専門学校卒の強みと、就職で評価されるポイント
- 就職先の種類(町のパン屋/ホテル/工場/カフェベーカリー など)
- 入社後の成長が早い職場の特徴
- 面接・実技試験で見られるポイント
- 専門学校生が陥りやすい失敗とその回避策
- キャリアを伸ばす“最初の3年間の過ごし方”
専門学校卒の強みと企業が期待すること

専門学校で基礎技術や衛生知識を学んだことは、現場で大きな武器になります。
特に次の点は、採用担当者から高く評価されやすい要素です。
- 基礎技術がしっかりしている(成形・焼成・材料の理解)
- 衛生管理の意識が高い
- レシピを理解して再現できる
- 学び慣れている(吸収が早い)
専門学校卒の方は、「技術がまだ完璧じゃない」と不安になることが多いですが、それは当然のことです。
現場は“育てる前提”で採用します。
基礎が丁寧にできている学生さんほど、2〜3年で驚くほど伸びます。
不安なまま飛び込むのではなく、「これから伸びる素材」として自信を持って大丈夫ですよ。
就職先のタイプと特徴

専門学校卒が活躍しやすい主な就職先は次のとおりです。
町のブーランジュリー
本格的な技術が身につく。
ハード系・デニッシュ・食事パンなど幅広く学べる。
ホテルベーカリー
衛生基準が高く、安定した環境で働ける。
大量製造+高級ラインの双方を経験できる。
製造工場(セントラルキッチン)
効率・大量生産・品質管理のスキルが身につき、キャリアの幅が広がる。
カフェベーカリー・チェーン店
働き方が比較的安定。
商品開発や接客を経験でき、将来の選択肢が広がる。
「どこが正解か」は人によって違います。
技術を極めたい人、安定して働きたい人、将来店を持ちたい人…。
目的によって選ぶべき現場は変わります。
就職先は“ゴール”ではなく、あなたの人生の“スタートライン”です。
一緒に最適な選択ができるよう、じっくり考えましょうね。
入社後の成長が早い職場の特徴

専門学校卒が最初に選ぶ職場は、キャリアの伸びを左右します。
成長が早い現場の特徴は以下です。
- 教育担当が決まっている
- 段階的に技術を任せてくれる
- 毎日の仕込み量が安定している
- 社内で技術共有(マニュアル・研修)がある
逆に、成長が遅くなる現場の特徴は…
- 人手不足で「見て覚えて」が常態化
- ベテランが忙しくて教える余裕がない
- 新人がすぐ辞める(環境に問題あり)
最初の1年で成長が早い人の共通点は「環境選びが正しいこと」。
本人が頑張ることも大事ですが、成長できる環境のほうがもっと大事です。
私たちは面談で必ず、「目的と職場の特性が合っているか」をチェックします。
就職してから悩む人を減らすのが、エージェントの役割だと思っています。
面接・実技試験で見られるポイント

町のブーランジュリーやカフェベーカリーなどでは実技はあまりないですが、専門学校卒の採用で必ず見られるのは、次の4つです。
- 挨拶や姿勢などの基本所作
- 衛生意識(爪・髪・服装・手洗い)
- 作業スピードより段取りの理解
- 質問された時の受け答え
実技では、技術の完璧さよりも「なぜこの温度?」「どう改善する?」といった“考え方”が評価されます。
専門学生さんは、「うまく作れなかったらどうしよう…」と不安になりがち。
でも、面接官が見たいのは “技術そのものより、伸びしろと姿勢” です。
失敗しても大丈夫。
そのときに「どう考えたか」を言葉にすれば、十分に評価されますよ。
専門学校生が陥りやすい失敗と回避策

❌ 失敗1:条件だけで選んでしまう
→ 給料・休日より「学べる環境」を優先したほうが後の伸びが大きい。
❌ 失敗2:背伸びしすぎてハードすぎる現場を選ぶ
→ 「一流店=成長できる」とは限らない。教育体制が鍵。
❌ 失敗3:見学や質問を遠慮してしまう
→ 見学で雰囲気が8割わかる。質問はむしろ歓迎される。
最初の職場でつまずくと、「パンは好きなのに仕事がつらい…」となってしまいます。
だからこそ、私たちは“あなたが長く続けられる職場かどうか”を最優先に考えます。
焦らなくていいんです。
あなたの人生は、まだ始まったばかり。
納得できるスタートを一緒に選びましょう。
最初の3年間で意識したいこと

パン職人は、最初の3年で伸び幅が大きく決まります。
- とにかく続ける(辞めない)
- 学んだことをノートにまとめる
- 人の技術をよく観察する
- 衛生と段取りの徹底
- わからないことはすぐ聞く
「3年頑張れば一人前」という意味ではありません。
でも、やっぱり最初の時期に“良い癖”がつくかどうかで、後の成長が全く違います。
あなたのペースで大丈夫。
焦らず、丁寧に積み重ねた技術は一生ものです
まとめ:あなたの未来は、ここからふくらんでいきます

専門学校卒は、パン職人として大きなアドバンテージです。
基礎があるからこそ、現場に出てから急激に伸びます。
でも、最初の職場選びでつまずくと、本来の力が発揮できないまま時間が過ぎてしまうことも…。
だからこそ、私たちエージェントは「あなたが安心して技術を磨ける環境か」を何より大切にして職場をご紹介しています。
パンの世界は、温かくて奥深くて、とてもやさしい仕事です。
技術が身についていく喜びは、きっとあなたの毎日を豊かにします。
ひとりで悩まないでください。
あなたの未来を一緒に考え、寄り添うのが私たちの役割です。
あなたの“最初の一歩”を、心から応援しています。
この記事で紹介したように、パン職人の転職には環境選びが重要です。
もっと詳しい求人や非公開情報を知りたい方は、こちらからお気軽にご相談ください。
株式会社アルチザンターブル 厚生労働省許可番号14-ユ-302409


この記事書いた人
田中こねる
パン屋さんの世界に飛び込んでから、もう20年以上。法人での店舗開発に関わったり、海外に修行に行ったり、自分のお店を立ち上げたりと、気づけばパンと一緒に人生を歩んできました。
パンが好きで、パンの仕事を続けたい人、これからチャレンジしてみたい人。そんな皆さんの背中をちょっと押せる存在になれたら嬉しいです。
記事監修:株式会社アルチザンターブル
次に読んでほしいおすすめ記事
参考リンク
※本文は公開情報と筆者の実務経験に基づき執筆しています。統計値は出典の算出方法・時点により変動します。


