脱サラしてパン職人になれる?必要な準備と注意点【現場経験から解説】

こんにちは。パン職人専門の転職エージェント、田中こねるです。
パンが好きで、「いつかはパン職人として働いてみたい」と思いながら日々の仕事を続けている方は意外と多いです。
「今の仕事を辞めてパン職人になれるのか…?」「30代・40代からの挑戦はもう遅い?」
結論からいえば、脱サラしてパン職人になることは十分可能です。
むしろ、社会人経験があるからこそ評価されるケースも少なくありません。
ただし、パン職人は想像よりも専門性が高く、準備の仕方でその後のキャリアが大きく変わります。
この記事では、未経験でパンの世界に飛び込むためのステップと注意点を、優しく・具体的にまとめました。
目次
この記事でわかること
- 脱サラでパン職人になることは本当に可能?
- 未経験で挑戦する際のメリット・リスク
- 入職前に必ずやるべき3つの準備
- 年齢別の成功パターン
- 独立を見据えたキャリアプラン
- 現場で見てきた失敗例・成功例
脱サラでパン職人は可能?【結論:可能。ただし“準備”で明暗が分かれる】

パン職人としてのキャリアは、学歴や資格よりも“姿勢と継続力”が重視されます。
実際、私が担当した方の中にも、
- IT営業からパン職人へ転身
- 公務員から製パンの世界へ
- 会社員や販売職から工房へ
など、脱サラ成功例は数多くあります。
挑戦できる理由は3つ。
技術は後から伸びる
パンづくりは、練習量に比例して上達します。
未経験でも1年続ければ現場戦力として十分に育ちます。
社会人経験が強みになる
現場では「報連相」「社会人としてのマナー」が高く評価されます。
未経験でも“即戦力に近い人”として扱われやすいことも。
需要が高い
慢性的な人材不足により、未経験歓迎の求人も多くあります。
エージェントからのひとこと
脱サラで来る方は、本当に真剣で、しっかり準備する人が多いんです。
だからこそ採用側も「この人なら育てたい」と思いやすい。
ただし、勢いだけで飛び込むと続かずに後悔してしまいます。
“準備をした人から成功する”のがパン業界のリアルです。
未経験で挑戦するメリットとリスク

脱サラ転職にはプラスの要素もあれば、注意すべき点もあります。
メリット
- 生きた技術が身につく
- 食に関わる仕事でやりがいが大きい
- 将来の独立も目指しやすい
- 店舗運営や接客の経験を活かせる
リスク
- 収入が下がる可能性がある
- 朝が早く、生活リズムが大きく変わる
- 体力面の負担がある
- 修業期間が必要(すぐに高収入は難しい)
リスク部分だけ見ると不安になるかもしれません。でも、不安を「準備」で減らしていけるのがパンの世界です。
体力も、働きながらゆっくり慣らせばOK。
年齢よりも“どれだけ続ける覚悟があるか”の方が何倍も大事です。
脱サラ前に必ずやるべき準備3つ

脱サラ成功者に共通するのは、飛び込む前の“インプット量”が多いことです。
① 実際に働く体験をしてみる
- 1日体験
- パン教室
- 工房見学
- アルバイトでの短期勤務
「思っていたより合う・合わない」がここで見えます。
1日体験をした瞬間「ここだ!」と涙を流す方もいれば、「思ったより重労働だ…」と方向転換する人もいます。
体験は失敗ではなく、“大切な確認作業”です。
② お金の計画を立てる
- 年収が下がる可能性
- 引越し・交通費
- 制服・道具の準備
など、最初の1~2年は収入が不安定な時期があります。
正直に言うと、最初は収入が下がるケースが多めです。
でも、技術がつくと一気に改善します。
「副業で補う」「貯金を用意する」など、無理のない計画が大切です。
③ 家族やパートナーと話し合っておく
早朝勤務・休みのズレ・収入変動など、家族の理解は継続にとても大きく影響します。
私もこれを“絶対に外せないポイント”としてお伝えしています。
応援してくれる人がいると、成長スピードが全然違います。
年齢別に見る“成功しやすいパターン”

● 30代前半
吸収力が高く、成形や焼成を早く覚える。
独立志向がある人が多い。
● 30代後半~40代
コミュニケーション・段取り力が強み。
教育担当として活躍する人も多い。
● 35歳以降の成功要因
- 語れる「志望理由」がある
- 丁寧な所作
- 安定感のある働き方
年齢の心配よりも、「どんな働き方をしたいか」を明確にしている人がうまくいきます。
キャリアは“積み上げ型”。一歩ずつ進めば大丈夫。
よくある失敗例と、その回避策

失敗例1:勢いだけで会社を辞める
→ 準備不足で続かない
対策:最低1~3ヶ月は準備期間をつくる
失敗例2:理想が高すぎる
→ 初日とのギャップが大きい
対策:現場見学+エージェント相談で実態を知る
失敗例3:自己流で進めてしまう
→ 技術に癖が出てしまう
対策:基礎技術を“正しく”学べる職場を選ぶ
エージェントからのひとこと
失敗してしまった人の多くは“相談する相手”がいませんでした。
パンの世界は専門用語も多く、独学は大変です。
迷ったら、必ず誰かに相談してくださいね。
脱サラ後、どんな未来がある?【キャリアパス】

- 現場職人
- 商品開発
- 店舗管理
- 工房長
- 独立開業
- 教室運営やオンライン販売
- 工場内の管理職
パン職人は、技術を身につけた後の“広がり”が本当に大きい職種です。
あなたが選んだ分だけ道が開けるのがパン職人の世界です。
「この先どうなりたい?」を一緒に整理すると、職場選びもスムーズになります。
まとめ:焦らなくて大丈夫。あなたの挑戦は遅くない。

脱サラしてパン職人になるのは、勇気のいる決断です。
でも、その一歩は必ずあなたの人生に意味をもたらします。
パンづくりは、時間と手間をかけるほど深くおいしく育つもの。
あなたのキャリアも同じです。
私たちは、あなたが「どんな働き方をしたいのか」「どんなパンを焼きたいのか」を一緒に考える伴走者でいたいと思っています。
どうかひとりで悩まず、気軽に相談してくださいね。
あなたの挑戦を、心から応援しています。
この記事で紹介したように、パン職人の転職には環境選びが重要です。
もっと詳しい求人や非公開情報を知りたい方は、こちらからお気軽にご相談ください。
株式会社アルチザンターブル 厚生労働省許可番号14-ユ-302409


この記事書いた人
田中こねる
パン屋さんの世界に飛び込んでから、もう20年以上。法人での店舗開発に関わったり、海外に修行に行ったり、自分のお店を立ち上げたりと、気づけばパンと一緒に人生を歩んできました。
パンが好きで、パンの仕事を続けたい人、これからチャレンジしてみたい人。そんな皆さんの背中をちょっと押せる存在になれたら嬉しいです。
記事監修:株式会社アルチザンターブル
次に読んで欲しいおすすめの記事
参考リンク
- 労働政策研究・研修機構「労働時間・賃金データ」
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/index.html - リクナビ進学|製菓・製パンが学べる学校
https://shingakunet.com/bunnya/w0015/ - 厚生労働省|職業情報提供サイト「job tag」製パン
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/109
※本文は公開情報と筆者の実務経験に基づき執筆しています。統計値は出典の算出方法・時点により変動します。

